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書き仕事のかたわらで綴る、上田真之介オフィシャルブログ。(短縮アドレスはw.kbst.net)←URL冒頭のwはひとつです
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2011-11-12

新スタの経済効果


ソフトバンクホークスが優勝すると、
決まったように飛び込む人がいる。

だからこの看板はガチである。


ところで、経済効果の話。


ここに挙げる2つの数字は
単純比較すべきものでは全くないことを
先にお断りしておいて、

日本シリーズが最終戦までもつれてホークスが優勝した場合、
その経済効果は、
福岡県の試算で388億円だそうだ。
参考記事:
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/20111110-OYS1T00179.htm

かなり過大な試算ではあるが、
インパクトのある数字でもある。


一方で、また別の試算が問題になっている。

ギラヴァンツ北九州の新本拠となるスタジアムを
小倉に建設した場合の経済効果だ。

市の試算は年11億円
これが市の公共事業評価委員会で問題視されている。
参考記事:
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20111110ddlk40010444000c.html

正直申し上げて、
(少々言い過ぎかもしれないが)
取るに足らない観点で委員会は足踏みをしている。

経済効果は実際にも測るのは難しいし、
11億円の多い少ないはなんとも言えない。
(11億円は少なすぎるようにも思う)

いずれにせよ、こういう実体のない数字が理由に
新スタジアムの建設が先延ばしになるのは、
本城の環境を知る者からすれば
なんとも容認しがたいものである。

もちろん、そういう数字をきちんと出さなければ
後々、お荷物だ、無駄なハコモノだという批判は出るだろう。

それでもあえて言いたい。

数字のトリックをめぐって先延ばしになる間に、
どれだけの経済効果が失われているか、と。


本城に来るさまざまなアウェイ関係者は
福岡空港に降りて、福岡に泊まり、
博多で飲んで、福岡空港で帰っている。
"北九州"の"き"の字も感じないまま帰る彼らに
市のイメージさえまったく訴求できていない。

もちろんお金が落ちることもない。

それどころか、
北九州市内のサポーターが本城へ行く時間ロスも
無視できるものではないし、
サポーターでさえ行くのをためらう状況がある中では
誘客にも限界があるのは目に見えている。

遠いし、雨にも濡れるというのでは
観光や接待にも使いにくい。

サッカー観戦とはそういうもの?
いや、これは新スタのシンポジウムでもあった話だが
日本には日本の、
北九州には北九州の、風土や
経済構造、文化(企業文化と言ってもいい)に根ざした
スタジアムを造るべきだろう。


話がそれてきたが、
小倉という好立地を得られることが確実なのに、
いつまで経済効果の損失を見過ごすつもりなのだろう。

北九州市や市長には
強いリーダーシップを発揮していただきたい。
また試算方法を指摘した
外部評価委員会の言い分も理解できるが、
もっと現実を見て迅速かつ適切な判断を
していただきたいと願う。


それにしても心配である。

経済効果という明瞭ならざる数字で躓いていたら、
この先出てくる、
本来議論すべき建設費や維持費などの論点において
本件以上にさらに時間が費やされてしまったり、
また逆になおざりになってしまうのではなかろうか――。


この話題については、
今後もじっくり経過を見ていくことにしたい。

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